別府地区に初めて電灯

別府、尾津地区に初めて電灯が付いたのは、大正五年八月であつた。 故老は電灯はひとりで灯くので、紙なんかおかないように火事に用心せよと言う。物知り老人の笑い話がのこっている。
 中郷、上郷は「カンテラ」と言うブリキで作った小さな容器に石油を入れて「トモシビ」に火を灯けて柱にある釘にかけておくのが普通であった。 宴会やお寺の供養の時はランプを使用し、本堂のアチコチに天井からつり下げておくのが習慣であった。
 この地区に電灯がついたのが、昭和四年六月であつた。
 故郷の今昔物語  堀田 傳  より