日曜日の日記(新聞投稿より)

oekat82005-05-15

 形にした妻への感謝
 田舎の集落では昔、誕生日やクリスマス、入学などで、どこの家庭も祝う事は無縁だった。 そういう家庭に育ったせいか、わが家もそうだった。 頑固な私を嫌な顔をまったく見せず、上手に操縦してくれる妻に感謝しつつも、照れ屋のせいか結婚以来一回も
「愛している」とか、「感謝している」

との言葉がいえない。 そのため、三十周年の結婚記念日に二人の子供と相談して、お金を出し合い、妻に好きな物を買うように贈った。 私の胸の内が理解してもらえたかは疑問だが、初めての贈り物にうれしそうに岡山市に住んでいる長女と買い物にでかけた。 その姿が、七年たった今でも鮮明に浮かんでくる。
 喜ぶ姿が忘れられず、還暦祝いに今回は私一人で、わずかなお金を贈った。 今回も長女と買い物にいった。 若い頃、いっぱい稼いで、いっぱい使い、いっぱい蓄えて妻を幸せにする−−。 これが私の理想だったが現実にはほど遠く、なかなか思うに任せないのが人生というものだろうか。 

三回目のプレゼントは、いつになるやら。


  自営業 65才 福山市 のTさん 中国新聞 広場 投稿記事より

 昭和一桁生まれの我々と共感するところ大。 よって記載した。
右上の写真は、公民館沖の波止場。