電気記念日

 明治十一年の今日、日本で初めて電灯がともされた。東京にできた電信中央局の開局祝賀会でのことである。目もくらむような青白い光がほとばしり、来賓たちは驚嘆の声を上げたという。
 文明開化の感動が、日本電気協会のホームページから伝わってくる。あれから百二十九年の「電気記念日」であるが、電力業界は事故隠しが続々と発覚し大揺れである。
 北陸電力㈱志賀原原発の臨界事故が極めつきかと思ったら、もっと深刻な事態が東京電力㈱の福島第一原発でおきている。二十九年前、制御棒が五本抜け、七時間半も核分裂反応をコントロール出来ない臨界状態が続いた恐れがあるという。
 運転日誌に記載しないで、もみ消そうとした疑いもあるのだからこれは悪質である。洗いざらいウミを出し尽くし、再発防止と体質改善を急いでほしい。
 日本初の電灯は、電池を使ったアーク灯だったそうである、それが今、原子力発電は国内の総発電量の三割を占める、その分、放射線被曝や放射能漏れの危険性があるわけである。
 今まさに統一地方選挙の始まりである。文明の進歩は人命を脅かす事を、電力業界にかかわる人は、しかとかみしめてほしいものである。
 中国新聞 3/25日 天風録記事より引用