将棋の公開対決

 渡辺明竜王(22)と将棋コンピュターソフト「ボナンザ」の公開対決は、歴史的な対決として注目された。結果は渡辺竜王が勝ち、何だかホッとした。
 ボナンザは、一秒間に四百万局面を先読みすることが出来る。それでもかなわないのだから人間の脳はすごい。ただ勝ったといっても際どい勝負だった。
 ボナンザは昨年世界コンピューター将棋選手権の覇者である。渡辺竜王は「思ったより強く、驚いた」と言う。十年前には、チェスの世界王者がコンピューターに敗れている。
 せめて将棋界は人口頭脳に負けてほしくないと思う。コンピューターは網羅的に探索し、その結果を評価しては次の一手を決めていく遣り方。
 プロ棋士の持つ大局観や流れを重視した指し方とは大きく異なるらしい。たとえコンピューターに負ける日があっても、創造力で盛り返すことの出来るのが人間の脳と思いたい。
 中国新聞 天風録 3/23日記事より引用