赤トンボ 

「アカトンボ」には、狭い意味と、広い意味とがあります。狭い意味のアカトンボとは、トンボ科アカネ属のトンボのこと。
 日本には二十種ほどおり、そのほとんどがオスが性成熟すると腹の部分が真赤に変わる。よってアカトンボと言われるのです。
 例外はムツアカネとナニワトンボで、オスが全体的に黒くなる。後者では白い粉さえ吹きます。広い意味での「アカトンボ」には、アカネ属ではないものの、体が赤くなるという種がふくまれます。
 ともあれ、アカトンボといって誰もがイメージするのは、アキアカネとナツアカネでしょう。この二種のトンボ。形も大きさもほとんど同じなのですが行動には全く違う面があります。
 アキ、ナツアカネとも、梅雨の最中の六月下旬頃、田んぼのような浅い水辺で羽化する。このときは体は赤くなく、オス、メスともにオレンジ色で体も貧弱です。
 しかしこの後の行動が大きく違う。ナツアカネが人里近くの森林などに移動するのに対し、アキアカネは標高1,000メートル以上もの高地へと大移動をするのです。こうして夏を過ごし、体を発達させます。
 そして秋、繁殖期到来と言うわけで、田んぼに戻ってくる。でもそれはナツアカネの方が早い。他方、アキアカネの場合、田んぼの稲刈りの終わった頃。群れをなして突然帰ってくる。
 一口に赤トンボと言っても種類があるのである。。
 週刊文春 10月19日号 ズバリ、答えましょう 竹内久美子さん記事より引用



http://www1.plala.or.jp/yoiko/gif/index.htmlより