身の丈に合う生活を

 日本語には、古くから語り伝えられてきた素晴らしい言葉が多くある。 「身の丈」その一つだ。 身の丈とは身長のことだが、現在ではほとんど使われなくなったのではないだろうか。 身の丈には、自分自身を指す意味もある。 祖父母は事あるごとに、この言葉を使って話してくれたものだ。 「人は身の丈に合った生活をしなければいけない」と。 自分の収入に見合った生活をしないと、生活は成り立たない。 分っているようで意外と分っていないから、こう言い伝えられてきたのだろう。 通勤時間帯の列車に乗る機会があつた。 周囲を見合すと、どの手にも携帯電話がある。 降りるまで、一度も手放すこともなく動かし続ける者が多い。 昔型の人間である私としては親はいったい、いくらくらい小遣いを渡しているのだろうかと考えてしまう。 働きもしないうちから、平気でお金を使う生活。 幸せな世の中なのかどうか?。 これが、身の丈に合った生活なのだろうか、考えてしまう。
 中国新聞 1/18日 広場投稿記事より Y,Kさん 自由業 61歳 (山口県玖珂郡)