世界最大のウイルス輸出国中国

 全世界的に蔓延が恐れられている「新型インフルエンザ」。大流行ともなれば、先進国の経済損失は約六十五兆円に上がるという試算もあるが、専門家の間では中国南部がその震源地になると目されている。 かって新型肺炎(SARS)が流行した際に情報隠匿を図った中国には、国際社会から厳しい視線が注がれている。 中国は全世界の家禽の21%にあたる、約百四十二億羽を飼育する養鶏大国だが、それらの家禽類はまた、「インフルエンザ」ウイルスの「天然貯蔵庫」としての役割も果している。
 中国南部の家禽類は、大量にウイルスを保有している、中でも広東省などでは、ほとんどの農家でウイルスを仲介する役割りを果す豚を放し飼いにしており、鶏やアヒル、ガチョウといった家禽類と密接に交わっている。 かって人類は三度、新型インフルエンザの大流行を経験していますが、その内二度は中国南部が発生源となっています。 二年前に猛威を振るったSARSも、発生源は中国、広東省だった。 SARSウイルスはハクビシンやタヌキ、アナグマなどの野生生物の体内に生存していたことが確認されている。 日本政府は鳥インフルエンザ対策で、アジアにおける流行国に一億ドル超の拠出を検討中だ。 結局、中国がくしゃみをすれば、日本の懐が寒くなるのである。