続「そめいよしの」

ソメイヨシノは、人口交配による雑種のため種子ができませんから、人が挿し木を行わなければ生き残れません。 現在日本の桜の8割を占める「ソメイヨシノ」は、日本全国、そして世界中の「ソメイヨシノ」が、今、絶滅の危機に瀕しています。
 世界中のソメイヨシノは同じ遺伝子を持った「クローン」ですから、同じような環境のもとでは、開花も散り際も見事に「同期」します。 しかし、有性生殖をしないソメイヨシノには「多様性」がありませんから、環境の変化に弱く、寿命も60年程度といわれます。 全国のソメイヨシノの大半は、戦後まもない時期に植樹されたものです。
 それゆえに、「危機」の所以です。私たちが大好きなお花見をこれからも続けるためには、定期的に新しい株に植え替える必要があるのです。
 週刊新潮 がんの練習帳 より