仙谷氏の処遇

 野田氏は官房長官を決めたうえで、ほかの閣僚候補に入閣を打診する考えだ。党内が注視するのが、仙谷由人官房副長官の処遇だ。

 小沢一郎元代表を支持するグループや鳩山前首相のグループは「元代表を目の敵にしてきた仙谷氏を起用するなら、党内融和は言葉だけだ」とけん制している。仙谷氏も自身の要職就任には否定的な考えを周囲に示している。

 ただ、仙谷氏については「官僚との関係が疎遠になっている民主党政権では、官僚を使いこなせる数少ない実力者だ」と評価する声がある。円高対策を含む11年度第3次補正予算案や12年度予算案の編成を控え、難しいかじ取りを求められる財務相などへの起用を期待する声も出ている。