恥ずかしい記事

報道にも専門知識が必要な時代である。生半可通では「恥を書く」ことになる。 その意味で出色だったのが朝日新聞原発専門編集委員竹内啓二の記事だ。 彼は福島原発一号機の爆発を受けた紙面で、実はあの原発の建設時には「格納容器にガス放出弁はなかった」と書いている なぜながら「日本では炉心溶解が起こらない」という慢心か゜あったためで、でも「海外の動きに押されて放出弁を導入した。 その弁が今は最悪の事態を回避する命綱になった。」
 弁なしでいこうとは「当時の事故想定がいかに甘かったか」とその杜選さを指弾した。 これを根拠にテレビの生半可通コメンテーターどもが東電・悪者論の大合唱を始めている。 でも弁のない加納容器などこの世に存在しない。
 それに福島原発は米国GE社製で、3,4号機こそ東芝、日立が建てたが、これとてGEのライセンス生産で、構造も設計も「海外の流れ」そのままだ。 「当初の事故想定」が甘いというならそれはGEの責任だろう。 GEはしかしちゃんと容器の圧力を抜く弁はつけている。 いい加減なウソを並べ立て世間を騒がせ、東電叩きを煽る。 いい趣味ではない。
 週刊新潮 変見自在 高山正行 記事より