家・国の財布
家の財布と国の財布は根本的に違う。手元不如意の時、家では支出を抑えるのが正しいが、国では支出を増やすのが正しい。
適切な公共投資や中低所得者への減税などの財政支出をすると波及効果により支出の何倍もの有効需要が生まれるのである。
昭和恐慌の高橋是清も、1993年のクリントン大統領もこれでデフレ不況を退治した。これが経済学の常識である。
だが知らない人も多いようだ。知っていても「日本の借金は850兆円と世界最大で財政危機的」が実行を躊躇させる。
この標語を信ずるのは宇宙人の鳩山総理だけではない。ほとんどの政治家、いやほとんどのテレビ、新聞などのマスコミ。
そして国民までがそう信じている。本当にそれほど危機的なのだろうか。「日本の国債はアフリカのボツワナ以下」、
などと「財政危機」を煽ってきたのは米国のヘッジファンドや各付け機関、米政府の息のかかったIMFや世界銀行。
消費税上げをもくろむ日本の財務省、そしてこれらの言葉を鵜呑みにした日本人だけではなかったか。・・・・・・・・
藤原正彦の管見妄語 記事より引用