「大政翼賛会」

  この言葉を知っている人は少ないかも。あの戦争の時代、「国家総動員」の時代のこと。だいたいメディアの大半が。
 何十年もつづいた自民党政権が倒れて、本格的な政権交代が実現したことをもって、歴史的快挙とし、民主党政権に好意的に報道した。
 とりわけ「朝日新聞系」は民主党シンパの立場からの報道をつづけ、民主党政権の足を引っ張るようなことはつとめて報道しないようにしてきた。
 朝日新聞出版が出している「Journalism」というジヤーナリズム研究の専門誌の11月号が「政権交代の政治報道」と言う特集を組んでいる。
 それによれば、政治記者の一番の仕事は「政治権力を厳しくチェックする」であるのはいうまでもないことあるが「鳩山政権は大丈夫たろうか」
 と不安に感じる場面は多々あるけれども、「しかし、いきなり、不安や懸念ばかり書き立てることが、今度の選挙で「チエンジ」を求めた。
 政権交代を選んだ多くの有権者の期待に応える報道だろうか」と問い、こう結論づけている、のである。
 「性急に結論を求めるのではなく、ここは一つでも二つでも改革が進むよう政権の背中を押すのがマスメディアの仕事ではないか」
 要するにいまの鳩山政権は相当にひどい状態で、不安と懸念がいつぱいなのだが、それには目をつぶって現政権の後押しをするのがメディア役目。
 戦時中にメディアがやっていたようにまた遣るべきだと言っているのに等しい。このような事を朝日新聞の読者はどの様におもわれますか。
 立花 隆「小沢一郎国家主席になったのか」記事より引用