テレビの映画解説者

 荻昌弘さん、淀川長治さん、それに水野晴郎さんが思い浮かぶ。個性的な三人だったが、共通点もあつた。映画が好きで好きでたまらない、といいう点である。
 映画の魅力や素晴らしさを伝える三人の瞳は、少年のように輝いていた。名調子の解説ですそ野を広げた功労者でもある。
 二十年前に荻さん、十年前に淀川さん、そして今度は水野さんが亡くなった。七十六歳だった。ふくよかな顔に口ひげ、いつも満面の笑み。
 「いやあ、映画って本当にいいものですね」というせりふを聞くと、なんだか幸せな気持ちになり、DVDの映画を多数購入し楽しんでいる、今日この頃である。