ササとタケの実の話

 滅多に咲かないはずのササやタケが、飢饉のときに開花した。その実で飢えを凌ぐことが出来たという話を聞いた事があのます。
 会津磐梯山が「宝の山」で、「笹に黄金がなりさがる」の民謡は、実はこういうこと。天保三年(1832)飢饉のときには飛騨高山でスズタケが開花し、実が二五万石もなって人々の命を救ったといいます。
 タケは太くて大きい、ササは細くて小さい、というイメージがあります。実際、タケという言葉は「猛々しい」に由来し、ササは風に「サヤサヤ」揺れる様子を表現したもの。
 でも、植物学的には、イネ科タケ亜科のうち、稈(幹のような部分)の皮が剥がれるタイプのものをタケ、皮が剥がれずついたままのものをササと呼びます。