ペットブーム

　このところペットブームは止まるところを知らない勢いらしい。それにしてもその数を知って驚いた。ペットとして飼っている犬、猫が日本の子供の数より多いとしうのである。
　日本ペット工業会の調査（２００５年）によれば、犬は千三百万匹、猫が千二百万匹で合計が約二千五百万匹。これに対して、十四歳以下の子供は約千八百万人。右肩上がりと右肩下がりが交差、逆転したのは三年前のことらしい。
　犬を飼っている方は、登録とワクチン接種が義務付けられているのはご存知じだろう。狂犬病はほとんど忘れられていた。ところが、十一月フィリッピンで犬にかまれた帰国者二人が相次いで発病した。
　日本では三十六年ぶりの患者だからびっくりするのも無理はない。しかし、世界では年間五万五千人も死亡している。とりわけインド、中国などのアジアの発生が多い。狂犬病ウイルスはすべての哺乳類に感染する。
　発生するとほぼ100%死ぬ。猿でもネズミでも「哺乳類にかまれたらすぐワクチン」の心構えが肝心のようである。