ワンフレーズ

 五年前、首相に就任して間もない大相撲夏場所。力士生命をかけて優勝した横綱貴乃花に「感動した」と絶叫したのが「ワンフレーズ・ボリティクス」(一言政治)の始まりだった。
 小泉首相が一昨日で在任千八百七日となり、中曽根元首相を抜いて、戦後歴代三位になった。当初、こんな長期政権になるとは誰もが予測しただろうか。
 その源泉は、世論の高い支持を保つ為のしたたかなメディア戦略である。「構造改革なくして景気回復なし」「自民党をぶっ壊す」とぶちあげるワンフレーズは、テレビメディアにピッタリ適合した。
 国民はその強いメッセージ性に、閉塞感の打破を期待した。電撃的な訪朝、解散総選挙刺客作戦・・・サプライズ演出の繰り返しが人気の維持につながった。
 気がつけば自民党は「ぶつ壊れる」どころか巨大化し、逆に民主党が自滅の危機にひんしている。こんな首相に対抗する、したたかな小沢党首に国民の期待がかかる。
 中国新聞 4/7日 天風録 記事より引用