情報保護法

 フアイル交換ソフト「ウィニー」を介した情報漏れが相次いでいる。企業の顧客情報や学校の成績から犯罪の捜査資料、自衛隊の暗号まで、さまざまな情報がネット上に流れ出し、国の安全保障をも揺るがせしかねない事態になっている。
 ウィニーは音楽や映像などを利用者同士がネット上で交換しあう便利なソフト。だが、ウイルスに感染すると、知らないうちにほかのフアイルまで流出してしまうのだ。
 いまやインターネット利用者は八千万人とも言われている。情報収集や通信に欠かせない生活必需品になりつつある。だが、この便利さ、実はリスクと紙一重なのだ。
 この便利さの一方で、学校や地域社会では、必要な情報が共有できないという問題が起っている。個人情報保護法の施行から一年。法の趣旨をはき違えた過剰反応が、特に役所関係に横行し「匿名社会」さながらの様相も見られる。
 教育現場では、緊急連絡網や卒業アルバムも作れないところがある。バカげた話である。一人暮らしの高齢者など災害弱者の情報が自治会で共有できない、医療機関が介護に必要な情報を福祉施設などに教えない。と言った例もある。
 便利な反面、誠に困った社会になりつつある。