市場原理

 小泉総理と竹中総務相が推し進める市場原理とは、市場原理と自由競争は一体だから、その結果、わが国は激しい競争社会に突入した。自由に競争して、勝ったものが情け容赦なくすべてを取る、という方式である。公平に戦った結果だから良いではないかと言う理屈である。
 弱肉強食、食うか食われるかの世界である。ゆえにけだものの世界である。 勝か負けるか、食うか食われるか、は二つのうちのひとつ。だから、確率は半々と錯覚しやすいが、実際はそうではない。一人の勝者に九人の敗者、と言うのが普通である。
 市場原理の行く末はその先進国アメリカを見れば良く分る。 上位一パーセントの人が国富の半分近くを占有するという状況になっている。自由競争では勝者が十人に一人というだけではない。 能力の低い者、差別されている者、運の悪い者などは、負けるのではなく負け続ける。必然的に極端な貧困層を形成する事になる。これで良いのだろうか?。
 文芸春秋 三月特別号 愚かなり市場原理信奉者 お茶の水女子大教授 藤原正彦 一部記事より引用