お言葉ですが〜〜〜
五十年余りむかし、毛沢東のことを「けざわあずま」と言って物笑いのタネになった國会議員がいたそうな。 「井真成」(セイシンセイ)は確かに日本人であるが、しかしこの名前は、この人が唐の都長安で名乗っていた中国名前なのである。 つまり名前の点では中国人と同じなのだ。 中国人の名前は漢字の音でよむ、というのは日本の常識である。 小学生でも関羽を「せきはね」と言ったり張飛を「はるとび」と言ったりする子はいない(と思う)。 井真成を「いのまなり」と言ったりするのは、その知力小学生以下、けざわあずま國会議員とチョボチョボの、饅頭屋の親父くらいのものかと思っていたら、なんと日本古代史専攻の学者でそう言ったり書いたりしてるのがいるそうだ。
週刊文春 2/16日号 お言葉ですが 高島俊男 記事より引用