国木田独歩の詩碑

 昭和二十年の終戦の混乱期が静まった頃「麻里府村、村長古谷治輔、助役林 茂」の村役場へ森山石一、村上盤太郎、田熊文助、上杉玉舟と言う、この地方の有名人が尋ねてきて、独歩ユカリの地、麻里府海岸へ詩碑を建立したく何分ご配慮をと依頼の件であった。
 村役場にも本腰を入れる事になり、井森工業㈱、井森社長が本村の出身(上組)なので片棒かついでもらう事になり、石を祝島より取り寄せた。 しかし発起人には資金は無く、結局費用は全部、井森今助社長の負担となった。 揮毫は岸信介元総理と一部のひとがいつて居られますが、本当は麻郷尾迫の人が書かれたものです。 

 なつかしき我が古里は何処ぞや
    此処にわれは山林の児なりき
       顧みれば 千里江山
          自由の里は 雲底に没せんとす

 見事な詩碑が昭和二十六年十一月三日、別府海岸に建立。 司会者森山右一、参列者紹介上杉玉舟、除幕浅海志保。
 付記、地主との折り合いが悪くなり、平成十年三月公民館横の現在位置に移転する。
 堀田 傳 作 故郷の今昔物語より