人生に終着駅なし

 先日、私たちはH県、A市、K小学校のクラス会(昭和二十年度卒業)を開いた。 恩師を迎え、幼少に帰り、楽しい二日間であった。 小学二年の時、太平洋戦争が起き、三年の時から竹やりの練習をした。 校庭はイモ畠になり、五年の時はワラビやイナゴなどを戦地に供出。 徴兵された家庭への稲刈りや麦刈りなどの勤労奉仕も頻繁にあり、昭和二十年にはK市M小学校などの疎開児童たちを旧K村の専念寺に迎えた。 波乱に満ちた小中学生であった。 「欲しがりません勝までは」の精神で、頑張っていたことを昨日のように記憶している。 私たちは十数年前から毎年一、二回クラス会を開き、旧交を温めている。
 当時は二クラス八十四人。 二十四人が他界している。 今回の出席者は二十一人。 約二十人が体調不良で、投薬しながら頑張っている。 クラス会では、最近は健康や老後の問題がもっぱらの話題。 昼夜を徹して話は尽きない。
 人生には終着駅がない。 これからは年齢を忘れ、青年の気持ちを持ち続け、感謝の心を大切にし、耳が遠くても、つえをついていようとも、また再開しょうと誓い合った。
 中国新聞 18/7日 洗心 投稿記事より H県、H市 M,Fさん 72歳 


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