気は心から

 四十代の初め、肩が痛くなって病院にに行った。 「五十肩かなと思うんですけど」言うと、「うそお、二十肩でしょ?」と言われ、気を良くしたからかすぐ治った。 五十代になってまた痛くなったので、別の病院に行った。 「原因は何ですか」と聞くと「骨の老化です」。 気を悪くしたためか、三年たっても治らない。 友達に「心臓に生えるのは毛だっけ、カビだっけ?〇〇ちゃん、何でも生えていそう」と言われた私が、人間ドックを受けたら「要精密検査」になった。
 毛が生えている人は心臓病にはなれないだろうと思っていたのに。 「心臓病でポックリ、を狙っているんですけど」と先生に言うと、「そううまくはいきません。 元気で長生きしてください」と言われ。 結果は異常なし。 めぼができて眼科に行き、あれこれ検査したら「老眼になりかかっていますね」といわれた。 「老眼を鍛える方法はありますか」と聞くと、「老化ですから無理です」と言う。 そこで「要は焦点調節の問題でしょ」自分で鍛えてやる」と決心して、夜な夜な枕元のスタンドのあかりで文庫本を眼から三十センチ離して読んだ。 あれから七年、老眼は進んでいない。 というわけで、医師の言葉に励まされたり、落ち込んだり(?)の日々である。
 中国新聞 15/7日 くらし 医師と私 広島市 自営業 Y,Uさん より転記


このひょうたんは十年前我が家で育て作成した物、大きさは上の赤い紐に止まっているセミの抜け殻より想像して下さい。